村上富朗 木の椅子100展 2011.6.20


     村上氏HPより

 6月18日、長野県東御市文化会館で木工家村上富朗氏の椅子を100脚以上集めた1日だけの展覧会が開催されました。展示のほとんどは、お客様が日々お使いになられている椅子たちです。

 私達の友人でもある村上氏が体調不良により、工房を閉じることになりました。闘病されている村上さんを何とか励ましたいと、友人や東信の木工家が集まり、展覧会を企画しました。 実は、椅子を100脚集めた展示会を開催することは、村上さんの長年の夢でもあったのです。家具全般の制作をされますが、なかでもウィンザーチェアーを中心とする木の椅子の作家としては第一人者でいらっしゃいます。
   →click    村上富朗 木の椅子工房HP

 身体に優しくフィットする椅子は、村上さんの丹精な仕事によります。40年もの間、座り心地の良い椅子を日々研究しながら作り続けて来られました。 作られた椅子は300脚を超えるのではといわれています。
 その間、一時を除いてほぼお一人で作り続けて来られました。スタッフを採らなかったのですが、制作された椅子を残すことで、これからの作り手たちに作品を通して想いを伝えたいとおっしゃっておられました。


  結婚のお祝いに頂いたウィンザーチェアーはもう30年近く毎日使い続けています。新品とは一味異なる何とも言えない味が出てきています。この椅子は東京国立近代美術館工芸館で開催された「現代の木工家具」の展覧会のときにも会場に展示されました。大切な我が家の宝物です。

 私が使っているのは、ウィンザータイプではありませんが、パソコンの仕事用に少し座を高くして、ウォールナットで作ってもらったものです。展覧会で何度か座ってその心地よさが忘れられず、3年ほど前に注文しました。座り心地は抜群でこんなことならもっと早く作ってもらえば良かったと思ったものでした。
 村上さんの椅子は、同業の木工家達にとってもあこがれなのです!
「現代の木工家具」図録より
 

 さて、村上さんの話を聞いた友人、木工家など20人ほどの実行委員が集まり、企画が練られました。氏の友人の仕事場である東御市文化会館が主催して下さることで、会場は劇場のエントランスホールに決まりました。
 展覧会は、新しく制作したものを展示するのが一般的ですが、今回は、実際に日々お客様が使われている椅子を集めることになりました。経年変化を実際に目にする機会は作り手にとってもまたとない良い機会でもあります。 村上さんからお預りした顧客リストを元に東信を中心に役員で手分けをして集荷し、また遠方の方はご自分でお持ち下さる方に限り、お願いすることになりました。さて、100脚集まるのでしょうか … ??
 皆の心配をよそに県内の出品は約70脚、そのほか東京・岐阜などからもお持ち下さる方がいらっしゃり、なんと当日は113脚の椅子が集まりました!前日の準備で、ほぼ半数の椅子が並べられましたが、半数でも感動ものでした…

   


 今回は、1日だけの村上さんのお客様を中心にということで招待客限定の企画となりましたが、当日は全国各地、アメリカからも参加者がいらっしゃり、友人や仲間たちも集まっての空前絶後の展覧会となり、村上さんの仕事の集大成となった様にも思います。

   


 当日はお茶の用意をし、プログラムにはトークセッションとしてパートTは、中村好文氏(建築家)、三谷龍二氏(木工デザイナー)、松家仁之氏(編集者)、パートUは、須田賢司氏(木工家)、高橋三太郎氏(木工家)、諸山正則氏(東京国立近代美術館工芸室長)をゲストに迎えました。いずれも村上さんんと親交のあった方々です。間には村上さんの昔のバンド仲間のライブ演奏もあり、会場ではお客様と共に和やかで楽しい時が過ぎてゆきました。村上さんもうれしそうでした…

 

それにいたしましても、ホールにずらっと100脚以上の椅子が並んでいるのは壮観でした。外の新緑も美しく、この様な展覧会は、きっと最初で最後でしょうね。

   

 いらしたお客様は自由に椅子に腰かけて、楽しんでいらっしゃいました。
 中には「我が家の椅子と同じタイプが何脚かあって皆座ってみたけれど、我が家のが一番!」とうれしそうにおっしゃってお帰りになられた方もいらっしゃいました。

 尚、この展覧会の様子は、ごく一部ですが、役員の佐々木さんが、YouTubeに動画配信されています。
   → click
 また、後日詳しい内容でのupもあるとのことです。

 
   
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 さて今回は、招待客限定の1日だけの展覧会でしたが、来月、「村上富朗の『木の椅子たち』展」が東京で開催されます。 以下、詳細ですが、是非たくさんの方々にご覧いただきたく思います。お誘いあわせの上、お出かけ下さいますよう、ご案内申し上げます。 
 尚、東京展は、今回の展覧会から選ばれた30脚を展示予定です。

 

 村上富朗の「木の椅子たち」展

開催日時: 2011年7月17日(日)  14:00〜19:00、7月18日(月・祭)12:00〜18:00
会場: LIGHT BOX STUDIO AOYAMA 2F
      東京都港区南青山5-16-7
       http://www.lightboxstudio.net/aoyama-top.html
      入場無料 
問い合わせ先 レミングハウス 03-5754-3222
主催: 村上富朗の仲間たち
     展覧会実行委員 中村好文・小泉誠・佐藤重徳・入夏広親

現代日本を代表する木工作家・村上富朗は、27歳のときフィ ラデルフィアのカーペンターズホールでアメリカンウィンザーチェ アの名品と出会い、大きな衝撃と感銘を受けました。
この出会いがきっかけになり、村上富朗はアメリカンウィンザーチェアやシェーカーの家具を自分流にアレンジして製作するように なるのですが、すぐに、それだけでは飽きたらなくなり、自分自身 のデザインによる木の椅子の製作に没頭するようになりました。
以来30 有余年、コツコツと作り続けた椅子は、およそ300脚にのぼる といいます。
このたび、村上のライフワークともいえるその膨大な椅子の中から 村上自身が選び抜いた30脚を展示し、ごらんいただくことに なりました。
1人の職人が長い年月を捧げ、愛情を込めてひたすら追求して来た 「木の椅子」の魅力とはなんだったのでしょう?
椅子好き、家具好き、職人仕事好きの友人知人をお誘い合わせの 上、ぜひともお出掛けくださいますよう。